概要
世に問題解決やアイディアを出すための手法は数多い。しかし、知っていることと役立てることとは違う。これまで私がITマネジメント関連業務のなかで使ってきた問題解決手法、アイディア発想手法についての実感をご紹介したい。前回記事のつづきである。
問題解決策立案は系統図法で
(4)系統図法
系統図はツリー形式であり、外資コンサル系問題解決では「ロジックツリー」や「イッシューツリー」に使われる形式である。
私は通常、「~するには」の整理を行う「問題解決策立案」に使っている。これもカードとの相性がいいことと、一次手段、二次手段ごとに末端までで何をすればいいのかがわかりやすいからである。ただ、「~するには」を系統図で展開していくと、後ろにほうでは同じものが出てくることがあり、その場合は同じカードを複数毎作ることになって少々面倒ではある。パソコンでやる場合はコピペができるので苦にはならないが。

問題解決策立案のほかにも、構造図を整理するのにも使用する。問題解決策立案が「How」のツリーなら、こちらは「What」のツリーで、たとえば、「人事業務」の構造を知ろうという時に、大分類の「勤怠管理」、「採用・配属」などからさらに具体的な業務にトップダウンで洗い出す際に都合がいい。これを行う場合はDMMを併用している。
現状洗い出しにはDMMも使える
(5)DMM(ダイアモンド・マンダラ・マトリックス)
DMMは現状業務を階層的に整理するための洗い出し手法として、省庁のEA(エンタープライズ・アーキテクチャー)のガイドにも掲載されている。
正確には問題解決手法とは呼ばれていないかもしれないが、1つの対象を8つ以内の要素にMECEに(ミシー:漏れなくダブりなく)分解し、分解されたそれぞれの要素をさらに8つ以内の要素に分割していく。9×9マスのマトリクス、すなわち、2階層までの展開ならば一つのマトリクス上に記載ができるのでプレゼンテーション的にも優れている。

アイディアが出ないときのアイディア発想法
問題解決策立案などの際に、「~するには」と問いかけてアイディアを出す場合、系統図法を使っているだけでアイディアが出てくればいいが、出てこない場合はBS法を使う。それでも出てこない場合は、次のようなアイディア発想法を使うことも時折ある。
(6)特性列挙法
特性列挙法は、テーマとする対象の特性ごとに限定して発想しようというもので、考える範囲を限定することでアイディアを出やすくさせるものである。特性というのは、物であれば部位ごと、機能ごと、性質ごとなどで、自動車を例にとればタイヤ、ボディ、シャーシ(以上、部位)、発進、停止、走行(以上、機能)、大きい、格好いい、赤い(以上、性質)などである。
(7)オズボーンのチェックリスト
「大きくしたらどうか」、「小さくしたらどうか」など9のチェックリスト項目ごとに発想していくものである。私はこれを特性列挙法と同様に、案がなかなか出ないときに使っている。
以上、私が実務でほぼ使いこなしている手法についてご紹介した。ご紹介したのは、いわゆる技法的なものだけではあるが、たとえば、パレート図のような分析的な手法はここでは紹介していない。こういった種類の手法は問題対象分野ごとに専門のものが多いので、省略させていただいた。
なお、繰り返し述べるが、各手法を公平な前提により評価したものではなく、あくまで私の経験からの実感であることをご承知の上で参考にしていただければ幸いである。
(執筆:山田一彦)
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